無趣味で人付き合いが苦手な女医の家計簿

地方在住。ひきこもり女医のブログ。弱音も収入も晒してます。

患者さんの父の決断&リスクはあるが劇的な改善の可能性もある治療。

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こんばんは。

今日は、主力メンバーの常勤の先生が数人お休みで、そのフォローで大変な一日でした。

夕方にはクラクラしていましたが、いいこともありました。

何年も調子の悪い状態が続いていて、病棟外に出たことすらほぼ無かった患者さん(40代女性)が、デイルームに出てきて、関わっているスタッフと一緒におやつを食べながら話をしました。

体力や筋力の低下のため、病棟から出ることを恐れていた患者さんは、デイルームまで来れたことにご自身で驚いていました。

お気に入りのミルクティーをスタッフが注ぐと、「久しぶりに温かいのを飲んだ」と笑顔でした。

何年ぶりのことでしょうか。

患者さんは自ら、みんなの使ったお皿を「洗いましょうか」と言って、洗い物をしてくれました。

久しぶりの作業はさすがに疲れたようで、その後は病棟の方へ戻られました。

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医療は不確実性を伴うものですが。

この患者さん、現在日本ではまだ広くは使われていないお薬で劇的に回復し、今日のよき日を迎えました。

※個人情報保護と身バレ防止のため、全体的にぼやかした表現にとどめていることはご了承ください。

一連の記事を書く前から、医療を批判する人が多いことは知っていましたが、そのような主張をする人の言うこと信じてしまって、適切な治療をみすみす逃してしまっている人がたくさんいるんだろうと思います。

「薬のほとんどは害にしかならない」みたいな主張をする人はけっこういて、「医者と製薬会社が共謀して、不必要で恐ろしい副作用のある薬をドンドン出している」と、素人の方が信じてしまいそうな話を吹聴する人もいます。

そんな主張の本がベストセラーになってたりしますから、ほんと怖いです。

今回の患者さんの薬物治療についても、医療には不確実性が伴うものですから、同じ治療をしても副作用が出たり、効果が不十分であったりするケースもあります。
(手術だって、100%成功します、と説明する医者はいないです。あ、米倉さんは置いといて^^)

デメリットとメリットを天秤にかける。

しかし、有益性がデメリットを上回ると判断される場合は、治療を試してみる価値はあります。

医療に関わらず、このような判断をすることはありますよね。

先日のドラマ「リーガルハイ」の医療過誤裁判の話じゃないですが、何も手を打たないで患者さんがただ悪くなっていくのを見るのは、家族さんはもちろん、医療者も辛いものです。

リスクは伴うが、劇的な改善が期待される治療が存在するなら、医療者としては、それを試すことも選択肢として提示します。

もちろん、重大な副作用が想定される場合は、きちんとモニタリングして、問題があれば治療を軌道修正します。

ただ、いくら細心の注意を払っていても、最悪の転機をたどってしまう患者さんは、どうしてもいます。

それは医学が命の危機にある患者さん全てを助けられるほどには万能でないから。

経過中に予測外のことが起こることもありますし、急速な変化に対応が追い付かない、もしくは手だてが無い状態という場面もあります。

それはコミカド先生も言っていましたね。

ただ、医学は全くの役立たずでもありません。

今日の患者さんの家族さんも、新しい治療を導入することには大変迷っておられましたが、本人が長年苦しんでいることから解放される可能性にかけられました。

字面は似ていても全然違う。

正直、今回の患者さん以外に同じ治療を試した患者さんで、薬がうまく合わず、脱落してしまった方もいます。

でも、「トライしてうまくいかなかった」ということと、「トライすらしない」ということは、字面は似ていますが、内容は大きく違います。

トライしてうまくいかなかった場合、患者さん、家族さんから恨まれることもありますが。。

また、医療者は新しい治療を行うことを、「患者を実験台に」「製薬会社からお金をもらうために」なんて思っていません。

患者さんに害を及ぼしたいと思うような医者はいませんし、どんなケースでも命が尽きてしまったら辛いものです。

うまく治療がいかないときは、自身の判断を省みて、最良の次の一手を模索します。

重大な決断に迷うなら、医療者に満足いくまで質問してください。

その上で、患者さん、その家族さんが決められたことは尊重します。

医者が理想だと思う治療とは違っても、希望に沿えるようにします。

何が最良かは、医学的な判断だけで決まるものではないですから。

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患者さんのお父さんに報告。

今日のこの嬉しかったエピソードを患者さんのお父さんに電話したところ、お父さんはいたく感動されていました。

「そうですか。今までは、面会に行っても、5分と落ち着いてその場で話すことができなかったんです」と。

「悩まれたと思いますが、新薬の使用を決断いただきありがとうございました。今後、娘さんのできることをドンドン増やしていきましょう」

思わず、明るい調子の声が出ました。

お父さんは、「新しい治療は心配でしたが、やってみて良かったです。今後も期待しています」と仰られました。

さあ、明日はどんな提案をするかな。

ウジウジ・ウ○コドクターが、ちょっと前向きになった一日でした。

    
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