無趣味で人付き合いが苦手な女医の家計簿

地方在住。ひきこもり女医のブログ。弱音も収入も晒してます。

医師はなぜ暴言を吐いたのか?&救急外来で見た、モラルの無い患者。

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こんばんは、くるみもち(@kurumimochi712)です。

今日は真面目な話です。

いつものアホウな記事を楽しみにしてくださっている読者さまには申し訳ありません。

非医療者の読者さんが多いブログなので、偏った意見と思われるかもしれませんが、一度読んでいただけると幸いです。

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医師はなぜ暴言を吐いたのか。

昨日、救急外来の医師がブラジル人の患者家族にとんでもない暴言を吐いたことが話題となりました。

家族が撮影した、医師とのやりとりの動画を目にした方も多いでしょう。

下記のサイトに事のあらましとその後の経過がまとまっているのでご覧ください。

参考:医師がブラジル人患者家族に「クソ、死ね」? 病院側は不適切な言動認め厳重注意

ネット上では、とくに、非医療者の方からは、医師の言動や態度に批判が集まっており、「医師に適格でない」「医師以前に人として問題がある」「免許を剥奪すべき」などの意見を多く目にしました。

一方で、医療者側の発信する意見の中では、救急外来のあり方や、患者側の問題に焦点を当てた意見、やり取りを録画してネットで公開するというやり方への批判が多く見られました。

もちろん、いかなる場面であれ、患者さんやその家族に、暴言を吐くということはあってはならないことです。

この点は、当該医師の決定的な落ち度です。

どんな心理状態であったにせよ、ポケットに手を突っ込んだまま対応する態度もあり得ません。

私は、この記事を通して、当該医師が「暴言を吐いたこと」を肯定する意図も擁護する意図もありませんので、その点はご了承ください。

苛立ちの背景にあるもの。

この医師が普段から態度の悪い医師だったのかどうかは不明ですが、いつもあんな言動をしていたとしたら、すでにこの病院で勤務できていないでしょうから、おそらく普段はあそこまで苛立ったり、暴言を吐く医師ではないと推測されます。

これは深夜の救急外来で起こった出来事。

医療関係者でなくとも、救急医療の現場がどれほど多忙であるかは、よく報道されていますから御存じでしょう。

・時間の余裕が無い。
・人員の余裕が無い。
・十分な検査ができない。
・患者さん(家族さん)にも日中に比べると余裕が無い。

無い無い尽くしの外来です。

余裕の無い中では、双方に無益な摩擦も起こりやすいものです。

私は現在は、報道されるような救急の現場では働いていない門外漢ではありますが、救急指定の病院(研修先)で勤務した経験があります。

ほとんどの医師は、日中の仕事を通常通り行った後に、夜間救急に入り、朝になればまた通常業務につきます。
(夜勤専従の医師がいる病院もあるかもしれませんが少数でしょう)

年配の医師でも、驚くくらい元気で、昼も夜も活躍されている先生もおられましたが、自分の実感としては、体力的にも精神的にもしんどく、日中と同じパフォーマンスを発揮するのは難しいと感じました。

診察室の外でたくさんの患者さんが待っていることの緊張感たるや。。

自分の至らなさも一因ではありますが、「救急の現場には余裕が無い」ことを、ひしひしと感じていました。

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患者さんからの暴言や無理な要求。果ては暴力まで。

一方の患者さん側も、予想以上の待ち時間に疲れ、また、希望する検査や投薬をしてもらえないことに苛立ってきます。

ときに、患者さん(家族さん)から、無理な要求をされることや、暴言に近いことを言われることがありました。

自分を先に診てほしい。こっちの方が重症だ。
都合のいいように診断書を書け。
睡眠薬を大量に出せ。
自分の指定する鎮痛薬を打ってくれ。
緊急性が無いだと。責任取れるのか。

診察室内で、恫喝された上、顔を殴られるなどの暴力を受けた先輩医師もいました。
(このときは警察を呼びました)

患者さん側もストレスフルな救急外来ですが、多くの方はマナーを守られ、救急がスムーズに運営されるよう協力してくださっていると思います。

逆に、協力いただけないと、他の患者さんにしわ寄せが来たり、結局その当人も不利益を被ることがあります。

医療側は夜間救急で可能な範囲で対応し、患者さん側も少しずつ協力いただくことが、双方が気持よくやり取りできる基本だと思います。

私も患者側になることはありますから、待たされる身の辛さ、期待する診療内容でないことなど、不満に思うこともありますが、そんなときは、医療者側の大変さを想像してみれば、横柄な態度に出る気にはなりません。

医師が暴言を吐くに至った患者さんの父親の振る舞い。

上記のように、いわゆる「モンスターペイシェント」と呼ばれる患者さんが、残念ですが存在します。

今回問題になったケースでも、患者さんの父親は被害者として訴え出ているわけですが、父親側の行動や考えに疑問を抱かざるを得ない部分があります。

当該医師が暴言を吐くに及んだ背景を、先ほどのリンク記事から転載します。

病院は1月27日夜、書面で改めて経緯を説明した。それによると、2人の医師の判断で緊急に治療する必要がない旨の説明をした。その後、以下のような経過をたどったという。

(1)この説明に対し患者の父親は納得せず、入院希望、症状の原因特定、更には急変時の責任の所在や診断書の作成等を執拗に迫ってきた。
(2)診断書は正確を期すため、実施できる検査に限りがある夜間救急では、書かないルールとなっていることを説明するが納得しなかった。
(3)万全を期すため小児科医を呼び出し、専門医からも病状と対処について説明するも、耳を貸さず、大声で自己主張を繰り返すのみ。自分の大声や言葉に更に興奮し、医師に食ってかかる態度を繰り返した。
(4)その後一人の医師が父親に対し、不適切な言葉をつぶやいた。
(5)その言葉に反応し、患者の父親は当該医師の胸ぐらをつかみ、両手で突き飛ばした。
(6)この後から患者様のご家族は、スマホとタブレット計2台で動画の撮影を始めた。
(7)これについて、当該医師は不適切な発言を反省し、謝罪した。

※太字は私が強調したものです。

他のニュースサイトでは、この患者家族とのやり取りは1時間にも及んだとの記載もありました。

(4)に至るまでのやり取りで、当該医師の苛立ちはピークに達したのでしょう。

もしかすると、(4)に至るまでの医師の態度がすでに不遜な態度で、患者の父親を余計に興奮させた可能性もありますが、実は、この患者さんは、当該病院に受診する前にすでに2つの医療機関で断られていたようで、当該病院に来た際にはすでに興奮状態だったそうです。

※ネット上の情報なので、信憑性に欠けるリスクはありますが、書いておきます。

父親はこの件以前より、いくつもの医療機関に時間外で受診しては、診察や検査の要求をし、診察後には多々のクレームをする常習者で、診察の様子を録画することも以前からしていたとのことです。

当該医師は、身体診察・血液検査などから、アレルギー性紫斑病であろうと判断し、診察時に重篤な症状が無かったため、日中に専門医を受診するよう説明しています。

冷静さを欠くと、結局不利になるのは・・・。

父親はこれに納得しなかったため、小児科医も呼んで説明を重ねますが、父親は興奮し続けました。

さらなる精密検査、診断書の作成、専門医への紹介などを要求し、大声で騒ぎました。

夜間では対応できないことがあると説明しても理解しませんでした。

父親はブラジルの方とのことで、言葉の問題は確かにあるかもしれませんが、娘さんは日本語が分かると書いてありました。
(夜間のため、通訳の方がいなかったことは残念です)

冷静に説明を聞けば、「現状では夜間帯に高度な治療は不要」「検査や専門医受診は日中に」くらいは伝わっていたと思います。

この父親への対応で時間を割かれていたとき、外来には、おそらく緊急で診てほしいとやってきた患者さんがたくさん待っておられたでしょう。

初めに書いた通り、当該医師の暴言は決して許されるものではありませんが、病院を受診する患者さんにも一定のモラル・マナーは必要だと感じました。

患者さんの母親が、「外国人への差別がどうこう」と言っていましたが、それは関係ないと思います。

言葉の壁はあれど、相手の説明を聞こうという気持ちがあれば、こんな事態にはなりません。

日本人が同じような要求をしても、もちろん医師の対応は同じだったでしょうし、ブラジルの病院でも、軽症患者のために、夜中に精密検査や専門医受診を受けてくれる病院はないでしょうから。

このようなことを続けていると、病院側に「ややこしい患者」と認識され、今後、大事な場面で適切な治療を受けられないリスクもあります。

病院は、ルールを守らない、業務を妨害するような患者は診ない判断をする場合があります。

今回も医師の胸ぐらを掴んで突き飛ばした時点で、警察が介入してもおかしくありませんでした。
(病院によっては、そう対応していたでしょう)

医師の暴言は完全にアウトですが、患者さんの医療者への暴力もアウトです。

下記の記事へ続きます。

参考:救急外来でできることは限られている&診察内容の録音・録画はNG。

    
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コメント感謝です♪

  1. ぼたもち より:

    経験年数25年の看護師です。
    くるみもち先生の御意見が あまりにも
    まとを得て いたので ついつい 書き込みしてしまいました。
    夜間診療の現場は 本当に ナイナイヅクシです。スタッフは 皆 一生懸命やってますが
    残念ながら とんでもない問題行動の患者さんはいらっしゃいます。暴言なんて 日常茶飯事。中には 「通常の診療時間に来ると 長い事待たされる。待ちたくないから 救急車で来た。」などと いう方もおられます。トホホですわ。
    ……でも。
    昔。20年位前は こんなに 酷くなかったです。あまり 非常識な 患者さんは見なかったです。最近は どうなっちゃったんだろう…。どっちかと いうと、昔は なんの根拠もないのに 偉ぶった先生方が多かったです。それこそ ドクハラは よくありましたね~~。
    今は。
    若い先生方の 優しさ、穏やかさ、気さくさ、真面目さ、タフさ、笑いの偏差値の高さに 感動しています。
    高齢者の 患者さんの訴えも 丁寧に 聴いておられて 本当に 微笑ましいです。

    昨日の ニュースに 取り上げられてしまった若い先生に 早く 日常が戻ってくることを
    願っています。

  2. […] 医師はなぜ暴言を吐いたのか?&救急外来で見た、モラルの無い患者。 […]