無趣味で人付き合いが苦手な女医の家計簿

地方在住。ひきこもり女医のブログ。弱音も収入も晒してます。

②金スマ、近藤医師が危険すぎるワケ&私の体験したトンデモ医者(汗)

kuesutyon

こんばんは、くるみもち(@kurumimochi712)です。

前回の続きです。
今回も家計記事じゃなくてすみません。

参考:①金スマ、近藤医師が危険すぎるワケ&がんについて正しく理解して。

「がんもどき」理論を提唱しているのは、世界中で近藤氏ただ一人です。。
(だって、何のエビデンスも無いんだもん)

科学的根拠に基づき、診断と治療を行っているマトモな医師は、近藤氏を相手にしてきませんでした。

何の根拠も無いことを言う近藤氏の相手をすることより、日々患者さんと向き合う方が大事だったからです。

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マスコミの罪。近藤理論を信じた患者さん。

しかし、センセーショナルな内容に目を付けたマスコミが、近藤氏の説を広めるのに力を貸してしまいました。

本氏の本は反響を呼び、内容を吟味する力の無い人たちが、がんもどき理論を信じ込んでしまいました。
(「医者に殺されない47の心得」など。ご家族が読んでいたら読み込む前に注意してあげてください)

がんを「放置」することを選択する患者さんが出てきて、現場の医師たちは困惑しました。

近藤氏を「放置」しておけば、患者さんが適切な医療を受けられず、救える命も救えなくなります。

そして先週、とうとう全国放送で、影響力もそれなりにある番組(金スマ)で、近藤氏が、同氏の意見に反論する人を同席させないで出演してしまいました。

(前述の勝俣先生にTBSから出演依頼があったものの、近藤氏7割:勝俣先生3割の内容にすると言われて断ったそうです。公平な意見交換はできないという前提ですからね)

立派な医者と、ああ勘違い。

医学知識の無い方は、あの番組を見て、慶応大学の立派な経歴の医師で、たくさんの患者さんを診てきた実績がある医師だと思ったんではないでしょうか?

「命を縮めるような無駄な治療をするな」と、現代医療に警鐘を鳴らし、多くの医師の過ちを正そうとしている、患者さんのために無駄な治療はさせない、悪徳医師たちに一人で立ち向かう孤高の医師と認識したかもしれません。

実際、放送後のネットの書きこみでは、「素晴らしい医師」「自分ががんになったら近藤先生に診てもらいたい」などの意見をいくつか目にしました。

あかんあかん(汗)

と、思いました。

このような人は、自分だけでなく、親類や友人など、がんが発覚した人にも「放置療法」を勧めるのでしょう。

怖いことです。みなさん、気をつけてくださいね。

放送後のネットでの反響に少し安心。

金スマ放送後の、ネットでの意見をいくつか引用します。
(申し訳ありませんが、がんもどき信望者さんの意見は載せていません)

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安心したのは、近藤氏の意見に反対の方が多数だったことです。

信望者の方は、さすが信望者だけあって、近藤氏の言動を真に受けただけの、とくに根拠の無い意見ばかりでした。

もしくは、「近藤先生の言うとおり、がんを放置して今も元気です」ってな報告ですね。

いや、だから、それ、「真のがん」か「がんもどき」か分からないままなんですよね??

体調がおかしくなってから分かるんですよ。

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一度ハマると真っ当な意見は受け付けなくなる。

今まで誰も考えなかったアイデア、しかも、マスコミが食いつく「現代医療の批判」で、治療がうまくいっていない患者さん、難治の病気でわらをもすがる思いの患者さんにつけ込み、名声やお金を手にしようとする輩が、私は大嫌いです。

私は腫瘍内科医でも乳腺外科医でもありませんが、自分の診療科でも、標準治療からかけ離れた、トンデモ治療を謳うクリニックにハマり、大変な状態になって私のところに戻ってきた患者さんがいました。

通院中にぱったり受診しなくなり、どうしたのだろうと思っていたんですよね。

親御さんがネットで見つけたトンデモ医師にハマり、そこに通わされていたようです。

それから半年後、ひどい病状で救急車で運ばれてきて、即入院となりました。

とあるトンデモ医者の話。

私が経験したこのケースも、トンデモ医者は、ツッコミどころ満載で、一般的に読まれている文献では見たことも無いような持論を展開していました。

聞いたこともない診断法で診断し、こういう薬をどこかで出してもらえと言い、実際の治療は自らはしない医者だったようです。

その後は、ときどき受診させては、「良くなっている、もうすぐで完治する」などと言うだけ。。

もちろん自費診療です。

わらにもすがる思いの患者さんは、トンデモ医者の言うことを信じて、新幹線で行かないといけないような遠方のクリニックまで通院し、1回数万円もする診察代を払っていました。

なんとか治したい一心だったそうです。

その後、案の定、患者さんの具合は悪くなってきました。

そして体調が著しく悪くなり、遠方のクリニックまで行けないため、電話をかけたところ、

「忙しいから近くの医者に診てもらうように」

と言われ、もう一度電話するも、その医師にはつないでもらえなかったそうです。

こんな人が医師免許を持っているんですよ。恐ろしいですね。

近藤氏は、商売 or 妄想?

患者のために孤軍奮闘でも戦う、ってなイメージ戦略でやってきた近藤氏。

この手の人は、「ぜ~んぶ分かっていて」商売のためにやってるケースと、そのアイデアが妄想レベルで、本人の中で「揺らぐことのない真実」となっているケースがあります。どちらも称賛を得たいという心理は働いていそうです。

他の方も指摘していますが、近藤氏のうまいのは、真実と根拠の無いウソを絶妙なバランスで配合していることです。

やっぱり商売でしょうか?

近藤氏が開業していくら儲けたか?

2013年4月にセカンドオピニオン外来を開業し、その後8ヶ月で1,300人の患者さんが来たそうです。

「1人30分以内の診察で32,000円」とクリニックの公式サイトにあります。
(この診察料が妥当かどうかは私には判断できません)

単純に1,300人が30分以内の診察だったとすると、4,160万円ですね。

同じペースで患者さんが受診しているとすると、現在までに開業後9,360万円の儲けです。。
(さらに印税など、他にも収入源はありますからね)

マンションの一室を借りての診察とのこと。

とくに検査も治療もしないわけですから、経費は家賃と人件費くらいですかね。

金スマ放送後はさらに患者さんが来るでしょうから、ボロ儲けですね。本も売れるでしょうね。

無症状なら「放置」と言われるだけ。症状があれば、適した治療を伝えるとのことですが、臨床の現場におられる先生から得られる情報以上のものは無いでしょう。

高い費用を払ってまで、「放置」と言われるために、わざわざ東京まで行かないでほしいです。

ひとりで全部位の、すべての進行度のがんの相談に応じています。内容はいずれも深刻で、日本のがん治療のレベルを反映しているのでしょう、相談を受けたケースの95%以上において、患者さんが現在受けている、あるいは主治医に勧められている治療法は受けないほうがいい、もしくは別の治療にしたほうがいいと提案してきました。

セカンドオピニオン外来のサイトより

「ひとりで全部位の、すべての進行度のがんの相談」って違和感無いですか?

私なら、胃がんに罹ったら胃がんの専門家に意見を聞きたいですね。
(放射線科医だった頃、全てのがんを対象に治療をしていた経験はおありのようですが、随分前ですしね)

そして、95%以上の患者さんの主治医の意見を否定です。

前回も書きましたが、最終的には患者さんが決めることではあります。

でも、どうか、今の主治医の判断・意見をしっかり聞いて、提示された選択肢から、ご自身のライフスタイルや死生観に合った治療を選んでほしいです。

参考にしてほしいサイトなど。

「根拠のある」、「スタンダードな」ことを書いている、医師・有識者の意見を列挙します。

医療関係者でない方には、難しい単語も出てきますが、近藤氏の主張のおかしさ、そして、根拠となるデータが、いかに近藤氏に都合のいいように解釈されているか、また、近藤氏が論文をちゃんと読めていないかが分かると思います。

腫瘍内科医・勝俣範之先生

ひとつ前の記事でも紹介した医師です。日本医科大学武蔵小杉病院の腫瘍内科で教授をされています。

進行がんにやみくもに抗がん剤を使うのは、私も反対です。そういう意味では放置療法もやはり、一部の患者さんには当てはまるのです。ただ、「放置すべきだ」という一方的な言い方ではなく、正しい情報提供と、患者さんの意向を尊重する良いコミュニケーションが大切です。
 放置療法は、近藤先生の個人的な考えによる「仮説」です。患者さんやその家族は、放置することの危険性を十分に理解してほしいと思います。

参考:「がんは放置してもいい」は本当か 主張と反論

内科医・長尾和宏先生

長尾先生は熱血な先生です。

日々、町のお医者さんとして働かれているのに加えて、ご自身のブログで、医療問題について綴られています。

参考:長尾和宏「近藤誠先生、あなたの“犠牲者”が出ています」

近藤氏の問題について、マスコミの報道の在り方にも言及しておられます。

週刊文集が凄いのは、

・別冊・近藤誠特集の大広告の前に、
・10回のがんの手術を乗り越えた美談、が一緒に掲載されていること。

真反対の内容が1冊の雑誌にごく普通に載っている不思議。

甘利大臣が「早期の舌がんで手術へ」だとの記事もヘン。そもそも「早期がんなど無い」、「手術はぜず、すべて放置」と煽っておいて、早期がんであり手術の方向との報道はいかがか。

本来なら、近藤理論を甘利大臣にちゃんと教えてあげないといけないのに。

メデイアは何故、教えないのか。
間違いだとわかっているからだ。

読むにつけ、週刊誌の主張の一貫性の無さにげんなりします。
読者の目を惹くタイトルをつけて売上部数を伸ばしたいだけ。。

参考:またも、がん放置療法の犠牲者が

内科医・酒井健司先生

朝日アピタルに連載されています。平易な文章で書いてあり、参考になります。

参考:近藤先生の「がんもどき理論」に反論する

参考:「わかりやすい」話の落とし穴

以下のような、「どちらが正しい、どちらが間違っているということは無く、AもBもある程度正しい。」という説は、歯切れが悪いようで、事実であることが多い気がします。極論は基本的にアブナイと思っておきましょう。

結論を言いますと、早期発見・早期治療が常によろしいという意見も、がん検診はすべて無意味であるという意見も、どちらも間違いです。

がんの種類や検診の方法、対象者のリスクの高低によってそれぞれ異なります。「がん検診は有効か?」という問い自体が単純すぎて不適切なのですが、強いて答えると「有効ながん検診もあれば、無意味ながん検診もある」です。

参考:「がん検診は有効か?」を改めて問う

内科医・NATROM先生

NATROM先生は、科学的根拠が無い代替医療や、ワクチン有害論、酵素栄養学など様々なトンデモネタについて、論理的に検証、反証されています。

ネット界ではとても有名な方です。

先生は「病気で苦しむ患者が誤った情報でさらなる不利益を被らないこと」を一番の目的として、情報提供をしてくださっています。

根拠のない感情的な反論にも、冷静に丁寧に回答されていて、すごいなと思います。

下記記事では、近藤氏の示すデータがおかしいことを解説されています。

結論を先に言えば、「対症療法のみ」の群は、症状が生じた時点を生存期間の起点としていることと、進行度の低い症例も混じっていることから、抗がん剤使用群よりも長生きしているように見えているだけである。

忙しい方は、近藤誠氏は、不適切な比較によって、抗がん剤治療が寿命を縮めると視聴者を誤解させたということだけを覚えていただいて、あとは読むのを止めていただいてかまわない。

参考:近藤誠氏による乳がんの生存曲線のインチキを解説してみる

美容皮膚科・桑満おさむ先生

美容皮膚科の先生で意外でしたが、専門外の医療ネタも分かりやすく書いてあります。

「医者に殺されない47の心得」のガイドブックを読んだことのある方で、イチミリも疑いを持たずに読了した方は参照ください。

参考:ベストセラー「医者に殺されない47の心得」のガイドブック その1 素直に読んではいけません

参考:ベストセラー「医者に殺されない47の心得」のガイドブック その2 重箱の隅をつついたら・・・出てきました変なデータ。

おもしろい計算もされています。

■マック赤坂より低い近藤氏の支持率

どの著書にも出てくる話で「23年間、がんを治療しない患者さんを150人診てきた」というのがあります。近藤センセイ、数万人の患者さんを診てきてセンセイの治療方針に従った方って、仮に5万人診察していたとしたら、たった0.3パーセントしかいないんですか?東京都の都知事選が昨年ありましたが、あのマック赤坂氏でも38855票獲得していて全投票数6447744票のうち0.6パーセントの支持者を集めていますので、支持率で考えると近藤氏はマック赤坂氏の2分の一となります。

参考:数字で考えるとわかりやすい、近藤誠氏の「がんもどき本」は間違いだらけ!!

緩和医療医・大津 秀一先生

近藤氏の経歴にも言及しながら、本氏の意見の危うさを指摘されています。

この話は、「治らなくてもかまわない」と考えている方以外は信じないほうが良いものだと言えます。

 なぜならば「がんもどき」と捉えて放置していた(早期治療で治るはずだった)早期がんが進行して、治らない進行がんになってしまう可能性があるからです。
 また近藤さんが「本物のがん」と呼ぶ転移している進行がんの場合でも、がんの種類や転移している場所によっては、標準治療で完全に治り得るがんがあります。進行した大腸がんの肝臓への一つだけの転移などは好例です。転移があるから「本物のがん」と捉えて放置すれば、本当は治るはずだったがんを治せません。

参考:近藤誠さんの「がん放置療法」でいいのか?

腫瘍内科医・Sho先生

かなり濃厚に、近藤氏の問題について、意見を述べている方です。

読者の方は全てを読むのは難しいかもしれませんが、自分の参考に書き留めておきます。

一定の割合で亡くなる患者の生存曲線は(近藤誠氏本人が信じるには)下に凸の曲線になるはずで、医者側の意図的行為が介入しない限り上に凸になる事はありえないと「抗がん剤は効かない」P.36で主張している。
その理由としては、ある被験者集団はある一定の割合で死亡する性質(死亡リスクという)を持っているから下に凸の曲線になるのであり、自身がかつておこなった舌がん患者の追跡調査論文を例に挙げて解説している。

死亡リスクが一定というのはどんな治療をしたのかしなかったのか区別していない雑多な舌がん症例群の長期追跡調査だから成り立つ話で、今回の胃がんのランダム化比較試験とは前提条件が根本から違う。

抗がん剤治療をしなかった患者群の曲線は死亡リスクが一定だから下に凸、抗がん剤治療群は抗がん剤で死亡リスクが低下したから上に凸の曲線になったのだ。

参考:近藤理論を突き崩す(胃がん編)③生存曲線が上に凸となる理由

メディカル・インサイト 鈴木英介氏

経歴はよく分からないのですが、医療情報を提供されている方です。

こちらも、近藤氏の示すグラフのインチキを理路整然と示されています。

やはり診療実績「150人」にもツッコミが。。

要するに、「乳がんになったばかりの人も入っていると思われる患者群」「再発がわかってから1回目の治療に入った患者群」「再発して1回目の抗がん剤治療がうまくいかず、2回目の治療に入った患者群」を比べているわけで、比べること自体がナンセンスなのだ。

ということで、こんなわけのわからないグラフよく作れたものだなと思うし、「ねつ造」と言われても仕方のないレベルである。プレジデント社も、このレベルの「とんでもグラフ」を載せるのは一流誌として如何なものかと思う。

参考:もしも近藤誠センセイから「がんの放置治療」をすすめられたら

自分は能力の低い医者でよかった。

私は能力の低い医者です。

斬新な発想も無ければ、テクニックも無い。

ただただ、標準的な診断と治療を行っています。

トンデモ理論をふりかざして衆目を集め、自分に都合のよいことだけを言って、信者を集め、信者の状態が悪くなったら、標準的な治療をする病院・医師に放り投げ。

「とにかく放置でヨロ」と、誰でも言えるフレーズで数万円も取る医師より、自分の方がよっぽどマシじゃない?なんて。

自信が無い故に、おかしな持論に走らずに済んでよかったです。

みなさまも、おかしな医師に惑わされないよう、一般的な論調と異なった意見を言う医師には、批判の目をもつようにしましょう。

これは医療に関わらずですね。

近藤氏の記事は次回が最後です。

どのような医師の意見を信じたらいいのかについて、そして、実際に近藤氏の外来を受診した患者さんの手記を紹介します。

    
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