無趣味で人付き合いが苦手な女医の家計簿

地方在住。ひきこもり女医のブログ。弱音も収入も晒してます。

④金スマ、近藤誠医師を信じてしまう前に&がん告知後の患者の心理。

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こんばんは、くるみもち(@kurumimochi712)です。

今回は、10月3日の金スマに出演した「がんを放置すべき」と主張する近藤誠氏への批判の最終記事です。

①~③までお読みいただいた方、ありがとうございました。

①金スマ、近藤医師が危険すぎるワケ&がんについて正しく理解して。
②金スマ、近藤医師が危険すぎるワケ&私の体験したトンデモ医者(汗)
③金スマ、近藤医師が危険すぎるワケ&実際に「放置」した人の顛末。

記事をアップ後に多くの反響をいただきましたので、それをまとめてこの件は一旦終了とします。

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近藤氏の批判記事の閲覧数は32,000を超えました。

昨日も書きましたが、当ブログのこの記事に共感くださった方が、同記事をSNSで拡散してくださったようです。

一番目の記事は、10月5日に公開以降、累計で32,000PVを超えています。

重複が無ければ同数の人に閲覧してもらえたということになります。予想よりはるかに多くの方の目に留まったようです。

金スマを見ていた人の数には到底及びませんが。。

近藤氏批判記事のアップ後の反響。

今のところ、当該記事についてのネガティブなメッセージは来ていません。

いろいろなご意見をいただいた中で、お一人、読者のKさんからのご意見を紹介します。

私は金スマも観ていないし、この本もタイトルしか知らなかったのですが、もしテレビを見ていれば、この突拍子もない説を信じ、もし、将来がんにかかったときに頭の片隅にこの説があり放置することにしていたかもしれないと思うと、真実を教えて頂けて本当によかった、と思いました。ありがとうございます。

Kさんの感想はもっともなことだと思います。

近藤氏の言動は説得力があります。虚実織り交ぜ、嘘が見抜きにくいようにしています。非専門家を取りこむことなど、彼にとっては造作も無いことです。

その他、以下のようなご意見がありました。

「うっかり信じそうになっていた。正しく知れてよかった」
「もっともらしいことを言っているが、何かおかしい感じがしていた」
「がん患者さんが影響されて、治療を放棄しないか心配」
「標準治療を受けている。近藤氏の言動に腹が立った」

実際にガイドラインに沿った治療を受けている方からすれば、なんとも腹立たしい番組だったでしょう。治療を選んだこと自体が間違いだったと言わんばかりの言いようですから。

※当方の都合で、全ての方にお返事は難しい状況です。すみませんm(_ _)m

良識ある人たちの行動。

この記事を読んでくださった良識のある方は、周囲の人にも正しい知識を持ってほしいと思い、ツイッターやフェイスブックで、記事をシェアしてくださったようです。

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(本記事を書いている時点での数です)

これだけ拡散したのは、みなさんの協力あってこそです。ありがとうございました。

すでに信じ込んでいる人には深入りしない。

近藤氏の活動は「宗教」と同じなので、一度信じてしまうと、そこからの脱却は困難です。

残念ながら、すでに近藤氏の主張を信じて込んでしまっている人がたくさんいます。そのような人を正しい考えに引き戻すためには大変な時間とエネルギーが必要です。

その覚悟がないのであれば、深く触れない方が賢明です。中途半端な口出しは、人間関係がこじれるだけです。最悪の場合、あなたに対して攻撃的になったり、あなたを陥れるようなことを言ってくるかもしれません。

どうか気をつけてください。

近藤氏の言動に触れていないうちに読んでほしい。

上記のKさんのように、まだ何も知らない方にこそ、これらの記事は有用です。

家族、友人、大事な人。

何かあったら適切に治療を受けてもらいたい人に、ぜひ一読するよう勧めてあげてください。

ネット環境に不慣れな方には、紹介させていただいた下記記事を印刷して読んでもらうといいと思います。
(1つ目の記事を受けての2つ目の記事なので、2つ併せて読んでください)

参考:「がんは放置してもいい」は本当か 主張と反論
参考:近藤誠さんの「がん放置療法」でいいのか?

また、こちらの書籍も分かりやすく、一度読んでいただきたい3冊です。

すべて、一連の記事内で紹介させていただいた先生の著書です。医学的根拠のある情報を、分かりやすく説明くださっています。

「久しぶりに実家に帰ったら、近藤誠の本が置いてあった(滝汗)」

という人は、今度行ったときに、こっそりこれらの本と入れ替えておきましょう。

(なんと私の母も近藤氏の本を買って読んでいたようでして。「なんかおかしい話だな。」という認識だったようで、ホッとしましたが。売上に貢献してしまったことが悔しいですね^^;)

NATROM先生の著書については、下記の感想記事が参考になります。NATROM先生自身が幼い頃に感じた違和感が、今の患者さん目線の医療につながっています。

参考:[本]【読書感想】「ニセ医学」に騙されないために ☆☆☆☆☆

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批判記事公開以降の、ネット上の近藤氏への意見。

この問題について、3つの記事を書いた後に見つけた、医師の意見や、非医療関係者のブロガーさんの意見をご紹介します。

内科医・NATROM先生

近藤氏の問題について論理的に批判されているNATROM先生については、この記事でも紹介させていただきました。

10月6日、タイムリーに「シノドス・ジャーナル」のインタビュー記事が掲載されました。

「ニセ医学」について述べられた文章より、近藤氏の問題について関わる箇所を抜粋します。

それこそ効果のある抗がん剤までまとめて「効かない」と、ニセ医学的な言説を広めている近藤誠さんは、元・慶應義塾大学のドクターで、100万部以上も売れている本の筆者でもあります。これは権威に見えますよね。「あの近藤先生が言っているんだから本当だろう」と信じてしまう方はいる。よくわからないペンネームで書いている医師よりも権威を感じてしまう。テレビや雑誌だってそうですよね。「あの番組がいっていたんだから」と信じてしまうものです。

このように、「権威のある人が言っていることなら信頼できる」という思い込みは私にもあります。

医療に限らず、政治経済や、教育など、どの分野においても同様ですね。

これは本来なら、思い込みでなく、「実際」そうであるべきです。

専門でない人が聞いて、安心して鵜呑みにできてこそ、「権威」だと思うのですが。。
(変な表現ですみません)

権威のある人は、権威があるからこそ、その発言により責任を負うべきですし、根拠の無いことを流布するようなことはしてはいけません。

残念ながら、今は(昔も?)、権威のある人の意見でも、鵜呑みにしないで吟味する力が必要です。

参考:なぜ「ニセ医学」に騙されてしまうのか? 『「ニセ医学」に騙されないために』著者・NATROM氏インタビュー

血液内科医・中村ゆきつぐ先生

BLOGOSでもブログを掲載されている医師ブロガーさんです。

今回の記事では当ブログも引用くださっています。ありがとうございます。

がん全てを治療しろなんて医師は言っていません。状況に応じながらしっかりと判断をしています。そして悲しいかな、一般の人が理解しやすい、このがんは治療しろという100%正しいマニュアルはないのです。(高齢者、社会環境の違い等。現在作る努力が必要と感じています。)

その結果、普通の医師の言葉は近藤氏のように歯切れが良くないのです。

そしてその歯切れの良い言葉で患者をだまし、ビジネスにそれを取り入れていることもまた問題です。こういうトンでも医療は近藤氏だけではなく、全て患者をだまして金儲けが行われています。

「歯切れの良い言葉」は危険です。

「薬はすべて毒」「体を温めれば全ての病気が治る」「免疫力を高めて医者いらず」などなど。

ウソや誇張を見抜くのは難しいですが、言い切っている言葉には疑いの目を持つようにしましょう。

参考:近藤誠氏に対する反論の歴史 今回のテレビ出演に対する反応 極端な断言

さすらい泌尿器科医先生

「うろうろドクター」というブログを書いておられます。
(泌尿器科を「ウロ」と略して言うことからかな?)

前回の批判記事の3つ目で紹介させていただいた記事を書かれた先生です。

参考:近藤誠を信じ、早期がんを放置した結果…

金スマの放送後、がん治療についてのコメントが増えたとのことで、専門領域のがん治療について書かれています。

至極まっとうなご意見で、治療がケースバイケースであること、しかしながら早期がんなら適切な処置(or適切な経過観察)で予後は良好と書かれています。

「適切な経過観察」「放置」とは全く違いますので、そこんとこよろしくです。

前立腺がんは基本的に進行は遅いですし、進行がんで発見されてもある程度の期間は生活の質を保って生き続けられることが多いのですが、最終的には治療が効かなくなり、癌死してしまう患者さんがほとんどです。

一方早期がんならば、定期的な通院を怠らなければ、前立腺がんで死に至ることは稀です。

どう思われますか?

参考:ガンを放置すると…(その1)

医師・佐藤 順一朗先生

外科の経験がおありのようですが、現在何科の医師かは記載されていませんでした。

番組の中で、半生を描いたVTRと近藤氏の主張が全く関係の無いものであったことを指摘し、乳がんの温存療法を「放置療法」と勘違いする患者さんがおられるのでは、と心配されています。

キーとして扱われている乳房温存療法であるが、これも番組では肝心なことを飛ばして説明しているので、下手をすると乳房温存療法=がん放置療法と勘違いする人も出てきそうでこわい。

まず最初にいうと、

乳房温存療法は切らないで直す方法ではない

乳房部分切除を含めた一連の療法のことだ。

参考:がんは・・・した方がいい!〜金スマの近藤誠先生の特集をみて思った事〜

膵臓がんの闘病をされているキノシタさん

「膵臓がんサバイバーへの挑戦」というブログを書かれています。

例の番組を見て、冷静に感想を述べられています。

私の膵臓がんも、転移しない「がんもどき」だったし、手術は全くの無駄ということになる。そんな事はないだろうと思うが、近藤理論には反論できない。転移すれば「本物のがん」しなければ「がんもどき」で、後付けでいかようにも説明できるわけだ。反証できない仮説は科学ではない。ポパーは、反証可能性を有しない理論は科学ではなく、エセ科学であるとしている。

「がんもどき」理論はエセ医学である。

近藤氏の理論は、倫理的な点から、研究の対象とすることが難しい(不可能)です。なんせ、死のリスクがある「がん」を放置するんですからね。

近藤氏の理論(思想?)は、NATROM先生も仰っている「ニセ科学」の一端でしか無いわけです。

(そもそも、本氏はキチンとした研究をして、学術論文を書いて、真っ当な医師たちと向き合うつもりはなさそうですが。ただ、自分の思いつきを述べるだけ)

参考:金スマ 「異端の医師」近藤誠

はてなブロガー・珠子さん

「夜しか生きてる気がしない~珠子の徒然、こころレポート~」というブログを書いておられる珠子さんは、患者の家族の立場から、がん治療について啓蒙されています。

うちのおじさんは(二番目の父、養父です)、大腸がんも前立腺がんも手術した。そして、今も元気だ。
前立腺がんは、4つの治療法があった。4つの選択肢から、私達は話し合って手術を選んだ。
選択肢のひとつに、前立腺がんは進行が遅いので「何もしない」という方法もあります、と説明がありました。
「放置」を勧めるのは、近藤誠氏だけじゃないんです。
ただし、「何もしない」治療方法を選択した場合は、「経過観察」をすることになります。単に「放置」するわけじゃない。

近藤誠氏は「外科医は切りたくて仕方がない」と本に書いているけれど、無駄に切ろうとする外科医師ばかりと決め付ける発言は、間違っています。
こうした近藤氏の発言は、医者と医療への不信を煽っています。

全くその通りだと思います。切らずに済むならそれにこしたことはありません。それは抗がん剤や放射線治療も同様です。

医師が治療を勧めるとき、それはその治療があなたにとって、有効である根拠があり、予後を改善させることが期待できるからです。

珠子さんは、例の「セカンドオピニオン外来」に問い合わせをされたようで、その返事も見ものです。
(期待通りの反応です^^;)

参考:金スマに近藤誠氏登場!影響が懸念されます!~でも、待ってください!近藤誠説に「ただ、流され」たり、「飛びついたり」しないで、少し考えてみて下さい~

私は騙されない?がんの告知を受けても冷静にいられますか?

オレオレ詐欺ってありますよね。手を変え品を変え、今も流行っている詐欺です。

みなさん、あんなものに引っかからないと思ってますよね?

ニュースで見ている立場のときは、引っかかった人のことを「マヌケだなぁ~」なんて思っているわけですが、いざ自分がターゲットになったらどうでしょうか?

詐欺師はあなたを不安にさせて、正常な判断ができないようにします。

さて。

がんの告知を受けたとき、人はどのような心理になるのでしょうか?

参考:心理状態の遷移

がん患者の心理は、告知をされてから、「衝撃段階」、「不安定段階」、「適応段階」の3段階で遷移します。

早い段階で前向きな思考に移れる患者さんもいますが、がんという病気をうまく受け入れられず、「適応障害」や「うつ病」と診断される患者さんもいます。

その数は、がん患者さんの3割にものぼると言われています。

そんな不安定な精神状態の中、「治療をすれば命が縮まる。放置がいちばん」などと言われたら、気持ちは揺らぎます。

藁にもすがりたい心情ですから、「○○でがんが消えた」的なトンデモ商品に飛びついてしまったりもします。

本人だけでなく、周囲の人も動揺します。本屋で怪しい本を手にとってしまいます。

そして、トンデモに引っかかった周囲の人の勧めに抗えず、従ってしまう患者さんもいます。

「自分は大丈夫」と、過信せず、「もしかしたら誤った考えを持ってしまうかもしれない」と思うことが大事です。

今回で近藤氏についての批判は終わります。

私は医者の端くれではありますが、正しく知識をお伝えできるか不安で、本記事を書くことにはためらいもありました。

しかし、結果として、たくさんの人に標準的な治療や、エビデンス(科学的根拠)に基づいた考えについて知ってもらえたようで、ほっと胸をなで下ろしております。

「医者」という肩書きだけでその言動を信頼できたなら、どれだけ素晴らしいことかと思いますが、残念ながら、一部におかしな医師はいます。

本人の利益のためか、病気(妄想)なのかは分かりません。

一方で、それ以上に圧倒的多数の医師が、標準的で適切な治療を行っています。

その圧倒的多数の医師のことを信じていただけたら、そして、ご自身とその大事な人たちの命を守っていただけたらと思います。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

みなさまとそのご家族が、長く、健康に過ごせますように。

    
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